吉野家は2015年5月14日、同社の新メニューとして11種類の温野菜を使った「ベジ丼」「ベジ牛」「ベジカレー」を同年5月21日午前10時から販売すると発表した。価格はそれぞれ530円・650円・650円(いずれも税込)(【発表リリース:吉野家「ベジ丼」新発売のお知らせ】)。
↑ ベジ牛などの新メニュー公知ポスター
↑ ベジ牛などの新メニュー公知ポスター

今回登場する「ベジ丼」などのベジシリーズとも評せる新商品は、「健康且(か)つ食べ応えのある商品」を基本的な方針として、ごま油の風味豊かな特製の「うま塩ダレ」で味付けした温野菜、具体的にはヤングコーン、オクラ、ブロッコリー、さつま芋、赤パプリカ、黄パプリカ、インゲン、にんじん、キャベツ、ニラ、玉ねぎを盛りつけている。これらの野菜の量は一日に必要とされる野菜の量の半分に相当し、この丼を一食採ることで満腹感に加えて「健康的」な体感を得る事ができることになる。なお野菜の組合せは季節によって変わる場合がある。

登場メニューは3種類。温野菜をごってりと盛り合わせた、基本となる「ベジ丼」(つまりご飯の上に温野菜)の他、小盛りサイズの牛丼に温野菜を盛りつけた「ベジ牛」、旨辛カレーに温野菜を盛りつけた「ベジカレー」も合わせて提供される。

先日【牛丼御三家売上:2015年4月分(最新)】でも言及したが、牛丼チェーン店各社、特に吉野家と松屋は消費者の食に関する需要の変化に合わせ、客の絞り込み、提供サービスの質と価値観、店そのもののコンセプトを少しずつ「廉価中心」から「廉価より一つ上のランク」「少々リッチな大衆食堂」的なものへとシフトする動きを示している。客数そのものは当然減少するが、その分客単価は上昇し、売上は維持される。

今件の「ベジ丼」などは健康志向を前面に押し立てるあたり、数年前の吉野家では想像もつきにくいメニューに違いなく、同時に昨今の食の需要にはマッチした存在ともいえる。また新たな客層へのアピール力も大きい。価格もベースとなる「ベジ丼」が530円、カレーや牛丼的なものは650円と、同社の鍋メニューとほぼ同列の価格帯。

肝心の味わいがどのようなものになるかは現時点で未知数なので評価は難しいが、彩りの鮮やかさやコンセプトの目新しさは注目に値する。内容次第では吉野家の新たな柱的メニューとしての立ち位置を確保することになるかもしれない。

http://news.livedoor.com/article/detail/10111273/